築10年目 機械式駐車場・コーティング工法

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マンション概要

  • MP管理組合
    • 所在地:埼玉県さいたま市
    • 竣工年:1990年(施工当時 築10年)
    • 建 物:1棟 6階建 総戸数108戸
  • 工事概要
    • 検討期間:2000年2月~4月(3ヵ月)
    • 工事期間:2000年5月~2000年6月(1.5ヵ月)
    • 資金調達:修繕積立金(駐車場専用口)
    • 全体の工事費:約640万円(ピット式昇降2段タイプ24基48台分)
    • 組合の工事体制:理事会+修繕委員会 10名
    • 設計事務所:株式会社改修設計(テクノサポートネット:改修設計グループ)

工事のきっかけ・工事内容

築10年目を迎えて建物調査をしたところ、「大規模修繕工事」は2~3年後の実施で可との結果でしたが、一部早急に補修が必要な箇所があり「計画修 繕工事」として実施することにした。なかでも機械式駐車場は以前に一度塗装を行っていましたが劣化が進み、車のワダチ部分の塗装がひび割れ、外観や耐久性 のみならず管理上も錆汁による下層の車両の汚損が懸念されました。

設計事務所より、第一種ケレン(注)と高剛性プラスチックを組み合わせた耐久性の高い工法の提案があり、従来の工法よりトータルコスト(初期費用+維持費用)が少なくすむことから、他の施工事例を見学したうえで採用を決めました。
※(注)ケレン:鉄部の下地処理、錆落し。一種は最もグレードが高い。

①工事前 rittyuu1
②第一種ケレン中 rittyuu2
③上:ケレン前と、下:ケレン後 拡大 rittyuu3
④高剛性プラスチック吹付け rittyuu4
⑤現在(6年経過) rittyuu5

解説

研磨材を打ちつけて錆や既存塗膜を完全に取り去り地肌を露出させ、高剛性プラスチックを吹付けコーティングする工法です。

高剛性プラスチックは石油コンビナートのタンク内部にコーティングされるなど耐摩耗性、耐薬品性、耐候性にすぐれた材料で、一般の塗装と比べて厚み があり、吹付け後は5秒程度で乾燥するなど作業性が高いものです。したがって、朝移動した車を夕にはパレットに戻すことができ、1パレット当り4工程3日 間で施工が終わります。今回は工事期間中に他の駐車場を借りる必要もありませんでした。

管理組合から一言

他の施工現場を見学して”塗る”のではなく”吹き付けて覆う”という印象を受け採用に踏み切りました。
ケレンの音が大きいという難点はありましたが、「長持ちしそう」と居住者の方々の評判も上々です。(施工当時、理事長談)
なお、6年経った現在も、顕著な劣化はみられません。

専門家から一言(プロのアドバイス)

コーティング工法は5年後のトップコートの塗替えのみで10年の耐久年数が見込めます。またプラスチックで守られたパレットは10年後に全面の一種ケレンは必要なく、従来のペイント工法が4~5年毎に塗替えが必要なことを考えると費用や労力の面でも魅力があります。

一般的に”高品質”の工法は初期費用が高額な場合が多く採用に至りにくい面があります。「トータル(コスト)で考える」事が重要でしょう。