バリアフリー事例

バリアフリー計画スタート

集合住宅の建物バリューアップは、組合員の皆さんのコンセンサスを得ることが最も大切です。バリアフリー化に於いても例外ではありません。

築18年目のGKマンションでも、バリアフリー化の他に駐車場増設等、数々の要望がありましたが、建物グランドデザインとしての「バリアフリー化・全体マスター計画」を最初に示す事で、将来の予測・最終型を捉える事が出来、また手順を踏んで計画を進め、公開していく事で大多数の賛同を得て、バリアフリー化計画が実施に向かう事となりました。

実施にあたっては、予算や優先順位を考慮し一度に工事を行うのではなく、”出来るところから取り掛かる”こととなり、2006年度は「車椅子での移動を可能に」と、「エントランスの利便性向上」を計画します。
※ この考え方に至る合意形成に 5ヶ月

バリアフリーへの改修 実施の流れ

■現状の把握:
築年数の経過した集合住宅のバリアフリー化にあたっては、管理組合員等から現状の使い勝手、要望等の意見・確認を含め現在の諸問題点の把握をするところから始まります。
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■方針の決定:
街区や建物全体を長い目でみた中から個々の対応を図ることが肝要で、幾つかの企画案から内容を絞り込み、基本設計を作成、組合員の合意形成を得るという流れになります。
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■工事実施の準備(1):
実際の工事に向けて施工会社に発注ができるように、全体的な事からから細かな部分にいたるまでの図面や仕様をまとめた実施設計図書の作成が必要となります。
※ ここに至るまで 7.5ヶ月
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■工事実施の準備(2):
工事をする施工会社については、通行制限等の居住者対応の重要性などを考慮して、集合住宅の改修工事の実績・経験も大切な選定要素となります。
※ 現状把握開始から 10.5ヶ月
■工事の実施:
設計図に基づく品質を確保する設計監理は、住む人の立場からのきめ細かな対応が必要です。スロープの勾配・表面仕上げ材や手摺取り付け位置などを試験施工等での確認が大切なことの一つです。
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■工事の実施 試験施工:
①スロープ新設に伴う既存手摺の嵩上げ
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②手摺端部の形状確認 free6

ココが決め手

新築では経済性の追求で企画設計、工事、完成と時間の短縮が求められますが、建物のバリューアップ及びバリアフリーは『住む人が生活しやすい建物に育てる』工事ですから充分に協議を重ねる必要がありました。
改修工事の設計コンサルタントも提供する業務には技術の他に住む人と共に考える姿勢が求められていると思われます。

完成レポート

マンション管理センタ通信 №263(2007年11月号)に掲載されました。pdf